2009年04月28日

沢木耕太郎『危機の宰相』


今、沢木耕太郎の「危機の宰相」を読んでいる。

池田勇人(いけだはやと)の所得倍増計画の話だ。沢木耕太郎が政治経済ものを書く?少しびっくりして読んでいる。

「もはや戦後ではない」と1956年の経済白書で書かれた後の話。安保闘争で岸信介が辞職した後の話。浅沼稲次郎が暗殺された後の話。所得倍増計画は1960年から1964年までの池田内閣において、1960年に閣議決定された政策だ。
単純に10年間で実質国民所得(国民総生産)を2倍にするということなんだが、一般大衆には月給が倍になるというイメージを生んだ言葉だと思う。

所得倍増は私が生まれる前後の話で、よくは知らない。

沢木耕太郎は1947年11月29日生まれで、彼にとってはこの所得倍増計画の時代は、自身の青春時代と重なる。

そう考えると、沢木耕太郎らしい気がする。この著作は、彼の青春時代の背景を辿る旅ではないかと、私なりに勘ぐるわけだ。

安保闘争で熱くなっている若者を見ながら青春を送る。彼の知らないところでは、実務を担って冷静に政策を策定し経済を見通していた人たちもいた。そういう時代であったのだと振り返っているような気がする。
学生闘争するものもいれば、工場で働くものもいるし、酒を飲んだくれて遊ぶものもいる。女に明け暮れるものもいれば、国を憂い社会党委員長を刺殺するものもいる。

様々な人がいて、時代の匂いが生まれる。
posted by いしのひげ at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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